ジャパンオーラルヘルス第26回学術大会
大会長 佐藤 勉
(東海大学医学部・(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター)
この度、第26回ジャパンオーラルヘルス学会学術大会を同志社大学今出川キャンパス(京都)で開催させていただくことになりました。第26回学術大会のテーマは「口腸(好調)フローラの連携とワンヘルス」でございます。この数年間、人々の生活や社会は新型コロナウイルスに翻弄されてきましたが、今も多くの感染者が報告されています。引き続きしっかりと感染対策を行い、学術大会の日を迎えたいと思います。
ウイルスや細菌などの微生物は、人類よりもはるか昔から地球上に存在していたと考えられています。したがって人類は地球上に誕生して以来、ずっと微生物と共存してきたことになります。「有用菌」「善玉菌」「悪玉菌」「病原菌」という言葉がありますが、言うまでもなくこれらの呼称はヒトが考えたものです。
国内外において、ヒトのフローラと健康・疾病との関連について多くの研究が行われています。なかでも腸内フローラは比較的古くから研究されていますが、近年、口腔フローラに注目が集まっています。その理由として、口腔フローラと全身の健康との深い関わり合いが明確となったことが挙げられます。さらに口腔/腸内フローラは健康長寿の鍵となるという報告が散見されるようになったことも関係があるかも知れません。オーラルヘルスはますます重要となってきたと言えます。
健康を考える上で大切(必須)と考えられているのが「ワンヘルス」です。ワンヘルスはヒト、家畜、野生動物そして環境の健康は1つという考えです。そこで今回のテーマを「口腸(好調)フローラの連携とワンヘルス」としました。ヒトの健康(好調)を口腔と腸内フローラから考え、併せてワンヘルスも見据えるという思いからのテーマの設定です。
特別講演は「健康長寿には歯科が大切であること」を長い間研究されてきた星 旦二先生(都立大学)にお願いしました。教育講演は「口腔免疫・酸化ストレス・機能性食品因子」をキーワードとしてお話される市川 寛先生(同志社大学)にお願いしました。シンポジウムは大会テーマを中心に吉川敏一先生(公財 ルイ・パストゥール医学研究センター)、内藤裕二先生(京都府立医科大学)、堀田国元先生(一財 機能水研究振興財団)にシンポジストになっていただきます。その他一般口演と企業展示も企画しておりますので、奮って応募していただきますようお願い申し上げます。師走の京都でお目にかかるのを楽しみにしております。